04 / エイティーン・エイジ
おめでとう。
「ありがとうございます。今日の誕生日と同じ歳なんて、分かりやすくていいですよね」
これで君も大人の仲間入りだな。
「それって馬鹿にしてますか。今この時代に年齢を成人規定に当て嵌める人間なんていませんよ。古い。…あ、貴方が古い人間でしたか。歳とかその他色々」
自分達は新世代の人間なのだがね。
「人種で見ればそうですね。でも同人種で見れば新しい世代でも何でもありません」
そうか。確かにそうだな。
「そう笑って答えて貰えるだけ、貴方は頭の柔らかい確かな『新世代』ですよ。…有り難いことに」
それは光栄だね。
「………。………。……けど実際、見た目と年齢って大事なんですよね…」
おや、何か思い当たる節でもあるのかな。
「まぁ…色々と。地球で一直線に熱弁奮ってる片割れは、見た目というか中身?…が年相応なのかどうか甚だ疑問ですが」
色々と苦労しているようだな。
「ええ、全く。外見に関して云えば、僕はいっつも甘く見られますから」
能ある鷹は爪を隠す……君の為にあるような言葉だ。
「…それは好都合」
ああ、いい表情だ。
……活躍を、期待しているよ。
「ご期待に沿いましょう?……全力でね」
…―――通信は途切れる。
さて。
お仕事始めますか。
曰く、大人と同じだけの年月を生きたのだから、そろそろ本気になっても良いですよね?
覚悟して貰いましょうか。
世界も。………彼らも。
ね?