02 / うそつきの交わり


うーん…、そうだね…。
きっと皆の中じゃ、僕が一番かもしれないね。

…え?
何って…。

そう、……秘密の多い人間てこと。


実際さ、人間誰しも大なり小なり秘密を持ってるものだし、それを処世術にして生きてるものだよ。
けどさ、それは相手によっては秘密でも何でもないことだったりするだろう?
ただそれを暴露して行動するには不便だから、人を選んで隠すのであって。

身分とか情報とか思考とか…まぁ色々とね。

人が当たり前に持ってる秘密、当たり前に想像出来る秘密、その度合いで見れば…やっぱり僕は一番の秘密保持者なんだろう。
機密事項だとも呼ばれるそれ。

その『色々』を知ってる人間は、おそらく僕以外には誰もいないかもしれないから。
(何たって、秘密を作り上げた人達とかその他諸々が皆、他界してるだろうから)


…世界が僕を、秘密にした。


でも、ね。

世界に波紋を広げるだろう秘密を一番知りたいと願ったのは僕自身だし、僕を秘密にしたのはこの…―――紛れもなくこの、世界、なんだよ。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -