02 / 息絶える前にキスをして



「ある日ある時ある物語」
「唐突になんだ、キラ」
「僕もふと思っただけだから気にしない」
「あのな」
「お姫様は王子さまのキスで目覚めを迎えましたとさ」
「…いきなり結末か」
「アスランはこれが終わりだって思うの?」
「目覚めた姫は王子に連れられ幸せに暮らしました。ジ・エンド。…が、お約束だろ」
「ふーん」
「何だ。そもそもこんな話をし出したお前の心境が分からない」
「まあね。僕にも分からない」
「………」
「けどさ」
「?」

「キスで人生が始まるのって、幸せなことだよね」

「………。…俺はエンドだって言ったんだが。スルーか」
「いいやー? だって物語は終わっても、姫様の人生はこれからが本番じゃないかって思ったらさ」
「本番…」
「イヤもう、こんちくしょうってぐらい幸せな目覚め?…羨ましい」
「そうは思えない言動が混ざってるな」
「ははは」

「キスが始まりになるなんて、幸せだね。物語ってのはさ」


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -