「ね。今回は何を付けるの?」
「子供用だからな。そんなに多機能にはしない」

せいぜい言語記憶くらいだ。
へー、なんて感心したように、同時に、わくわくとした目で、キラはアスランの手元を覗き込んだ。

床に座り込み、手慣れた工程で緑色のハロを組み立てていく。それを横で見詰めているキラの姿も、もうここ数時間変わらない光景だった。

「あといくつ作るの?」
「三個…だったか。ずっと前に頼まれてて、なかなか作ってやる時間が無かったからな」
「そうだね。アスランが作ってるの見るの、久しぶりだもん」

いつもは部屋に籠ることに良い顔をしない親友も、こういう時だけは嬉々として作業風景を眺めているのだから、現金なものだ。
だが、キラのその子供のような笑顔が隣にあるのは、自分としても悪くないと思っているから文句など出よう筈もない。

「こっちの部品は何?」
「ハロの足の部分だ。…そっちのドライバー取ってくれ」
「はい。…へー…、やっぱり市販品とは違うんだなぁ…。やっぱりアスランは凄いね」

本業とはレベルが違っても、整備を担うキラの興味は尽きない。
その表情が子供の頃を思い起こさせて、アスランの顔も綻んでしまう。

「ね、今日は時間取れる?あったら、トリィのメンテもして欲しいんだけど」
「ああ。こっちが終わったらな」
「良かったね、トリィ。…あ、そろそろお昼か…。僕、休憩用のお茶でも貰ってくるよ」

ずっと籠りっぱなしは良くないしね!そう言いながら、ぱたぱたと部屋を出ていった。

キラの本質は、どんな時でも変わらないらしい。それが微笑ましく、温かな何かをもたらすもので、アスランは窓から射し込む陽光に目を細めた。


そこにあるのは、二人だけの確かな幸せ。



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