上手く物事が進まない現実に、もやもやした気分でキラは歩いていた。
人ってなかなか難しい…。溜め息が出る。
「…ん…?」
ふわりと漂う匂いに、ふと気付いた。
この、爽やかで瑞々しい香り。
大陽の光を浴びて、存分に輝いているような。
自然そのもののフレッシュさで気分を清々しくさせてくれる…。
「………」
沈んでいたら頭を撫でてくれた。
怒りで高揚した時は一緒に愚痴を言い合った。
漂う香りに不思議と笑みが浮かんで顔を上げ。
…―――よし。突撃しよう。
即断の決定事項に足と心を軽くして、キラは駆け出した。
2013/01/27 03:42