二人の出会いは、広大な宇宙の片隅。
ふたりが手を重ね合った時、世界は―――。
歌姫として謳う彼女の周りには、淡いパステルカラーの大地がとてもよく似合う。
波紋のように一滴の言葉をくれた君は、細波のような優しさを広げて心を包み、今もこうして隣で微笑う。
「ラクスは、一輪挿しの花やリボンに結ばれた花束よりも、一面の花畑の方が似合うね」
小さなかけらを集め、広がる大地に色を撒く。
風が薫る花々の風景の中で、世界にその色を届ける優しくて強いひと。
「ならばキラは、花を咲かせる光と雨になって下さい」
咲き誇る花が、一番望むものに。
花もまた、暖かいそれにいつまでも寄り添いたいと願うから。
それが叶う時、世界は幸福に満たされる。
花輪を頭に乗せて緑に座る少年の手のひらへ、少女は手を差し出した。
2013/01/01 21:51