▼ サバンナで遊ぶノウサギとライオン
目が覚めて隣に愛しい人の寝顔があったら、それはとても幸せなことだと思う。
「……いい寝顔」
寝返りを打ち頬杖をついてうっとり眺める。
こんな時でしかあどけない表情が見れないなんて、きっと彼に関わる全ての人は損をしている。そう思いつつもこの寝顔を誰かに見せるなんて、そんなことする訳ない。だってこの寝顔は
「わたしだけのもの、だもんねー」
スヤスヤ眠る彼の頬をぷにっと押す。筋肉質な体のわりに柔軟な頬はほどよく沈む。その感触が気持ちよくてもう少しだけという衝動が収まりきらずに膨らむばかり。だから彼の頬に夢中になったわたしは気付かなかった。彼がすでに目を覚ましたことに。
「さー、ご飯ご飯」
「人の体でなに遊んでんだ?」
ベッドから抜け出ようとして逆に引きずり込まれる。耳元で聞こえた悪企みを仄めかす声と首に回された逞しい腕の引きがいつもより強くて、そこで初めて「しまった」と思った。
「いい度胸してんじゃねーか。人が寝てるとこを突こうだなんて」
体重をかけるように乗りかかってきた重さは女のわたしには到底押し返せないもので冷や汗が滲む。
「お、おはよー、ございます?」
「はよ。で?覚悟はできてんだろうな?」
「かく、ご?」
「惚れた女が睡眠を邪魔してきたんだ。それ相応の“サービス”、してくれんだろ?」
わたしの顔は青ざめていくのに体の奥は熱くなる。これも惚れた弱みってやつか。
腰をヤらしく撫でる彼の手がゆっくり上がってくるのを大人しく待つ。
「……これ終わったらご飯だからね?」
「その余裕もいつまで持つか楽しみだな?」
あぁ、やっぱりこの捕食者には勝てそうにない。
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ちょっと朝からエロイんですけど?