D.G-Dr ほかも | ナノ


▼ 輝くナスを確保せよ

「宮地!」

と叫びながら弓道部、男子更衣室の扉を開け放つ。
ビクゥッ!と肩を揺らした宮地の向こうに着替え途中の白鳥と小熊がいた気がしたけど気にしない。

「木ノ瀬は!?どこ行きやがった!?」
「…………オレは知らないぞ」
「なんだよ今の間は」

あまりにベタな展開に「くっ、クリームが!」と言い訳する宮地を冷めた目で見る。視界の端で青ざめた子犬が二匹いたけどそれも知らない。

「あー、はいはい。クリーム食べてたもんねー?クリームあったら喋れないもんねー?」
「そ、そういうことだ」
「で?」
「で?」
「そのクリーム、“誰に”もらったの……?」

ニッコリ笑えば今度は宮地の顔が真っ青に変わって。
こっちは営業スマイルで可愛く質問しているのだ。なんて失礼なヤツ、と思いながらも握り締めたペットボトルの悲鳴だけが更衣室に響いた。



「くぅら木ノ瀬ぇぇ!」
「あれ?もうバレちゃいました?やっぱり宮地先輩はダメだなぁ」
「バレちゃいました?、じゃないわよ!今日こそあたしの部屋から盗んだもの返しなさい!」
「えー」

と昔なら騙されていたウルル視線にクッと息をのむ。

「っ、えーじゃない!可愛い子ぶったってかわいくないんだからね!月子のがよっぽどかわいいんだからね!?」
「ちぇー。わかりましたよ」

「はい」と差し出されたパラソルハンガー。

「……ほか」
「他?え、まさかありす先輩の洗いたてパンツとAカップのくせにフリルがたくさんあしらわれたブラジャーも返さないといけないんですか?」
「アホかーー!!」

木ノ瀬の頬に右ストレートをお見舞いして The END。



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夏のおいかけっこ、汗だく、それですら木ノ瀬は涼しげ(悔しい)

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