【下戸の子供達】

「じゃあ俺コイツ運んで帰るわ」
「え〜付き合い悪いぞグリ!戻って飲み直そうよ」
「もう結構キてるから無理、今度な」

思い付きで行われた飲み会、付き合いの一杯で潰れてしまった下戸のうるを背負って育て屋へ
進んで買って出るのは雑な奴に任せたら本当に店に送るだけで毛布すらかけず風邪をひいてしまった事があるからだ。
まぁその日俺は気分が乗らず欠席したわけで…何も責任に感じる事はないのだと言ってはくれたが、心配ぐらいさせろ


「ただいま、チビ達。パパは潰れちまってるから静かにな?」

ポケットに入っていた鍵で入るとなつこいチビ達が待ってましたと飛び付いてきた
軽く脚払いをして寝室の方に起こさないようにゆっくりと進み、ベットに入れる。上布団をかけたら一緒に寝たがる数匹を邪魔にならないように抱き上げた

「こらこら…疲れてるから寝かしてやろうぜ?お前らはオッサンが絵本でも読んでやっからさぁ」
数日預かりの子達にここまで好かれるとは恐れ入る。別れの時は何時も寂しそうな顔をしているな…その分新しく来た子に目一杯愛情を注ぎ、また別れのループ

「すげぇよお前、俺だったら寂しくて続かない。可愛いな…こいつら」
腕の中で寝付いた小さな生物を見つめていたら後ろにずしりと何かが乗ってきた

「可愛いだろ?その子さ、雨の日にダンボールに入ってたから拾ってきたんだ。グリ飼わない?」
「起きたのかよ…またベタな展開だな。今時まだそんな無責任な奴いるのかよ…可愛いけど本屋だし難しいな」
「この前も言ってたけど、俺運んだついでに朝まで遊んであげるくらいだ…本当は飼いたいんじゃないか?」
「朝…うわっ。うる、皆には内緒だからな、言ったらお前外に投げて帰るわ」
「酷いな」


結局お互い二日酔いが酷く、臨時休業の貼り紙をつけて二度寝三度寝した




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