【男性客確保計画】

「ようチビちゃんお菓子持って来た、順調か?」
「お菓子!いらっしゃいグリドールさん。まぁまぁかなぁ…」

臨時休業を文鳥に貼り付けて足を運んだのはビリビリエリア
以前休憩時間に遊びに来たチビちゃんと話をした、色々な御守りを売っているが男性客が少ないと言っていたので休日に二人で作戦会議をしようと約束したのだ


「俺考えたんだけどさ、近くの学校で入学式があるし…学業の御守りでも売り込んだらどうだ?ユリアが胸に付ける花の注文受けてたからさ」
「うーん、良いと思うけどいきなり学校に押し売りに行くのはちょっと…」
「違う、ユリアの店に押し掛けるんだよ」
「え!?」
「年中無休だから今日もいる筈だ、何心配するな…断らせないから」


戸惑うチビちゃんの手を引っ張り花籠に到着した、予想どうり花の手入れをしていた変態店主を背後から羽交い締めに

「なる程…学生達に御守りですか、確かにママさん層を狙うのは名案ですね…出来れば普通に頼んでほしいですね」
「ごめんねお兄さん、急に押しかけて…」
「問題はそこではないのだけど男性客の確保には花屋も苦労してるからね…じゃあ花を持って行く時運ぶのを手伝って貰おうかな」


次の月曜日、ぴかぴかの一年生達に御守りを買ってもらうべく俺がタダ働きを条件に同行の許可が下りた

「学業成就の御守りってどんなのがあるんだ?」
「今うちにあるのはコレ…うーん」

黒地に金の字で学業成就とシンプルなものと、またまた黒地に赤のラインが入ったシンプルなもの…大学受験生用なのだろうか落ち着いた2つの御守り

「受験生用だしちょっと可愛くはないな」
「そうだね…でも大丈夫だよ!今から可愛い御守りを作れば!桜モチーフの可愛いやつっ」
「今から!?えっと一個どれだけ時間掛かるんだ?400人分…あと一週間か」
「えへへー、一週間徹夜で何とか!」
「えへへー、じゃない!みなきちー高い酒買ってやるからちょっと手伝え!」
「呼んだー!?」

こうして俺とみなきちの初心者組と店主の桜の御守り作りが始まった
徹夜は3日までだぜチビちゃん




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