【反則技】

「何?チョコケーキって…また難易度高いやつを」
「試食で置いていたもの、美味しかったから教えて欲しいの」

文鳥の休憩時間。同じぽかぽかエリアの店長フラムと一緒に昼御飯を作っていた

「じゃあ焼いて持って行こうか?時間がかかるし」
「作ってみたいの、駄目?」
「駄目じゃない」

爆弾のように大きなおにぎりが精一杯という意外と不器用なフラムに゙一人暮らし同士だし、一緒に朝食を食べよゔと提案したのは俺だった

゙猫の手゙と言ったら両手を突き出しでにゃーん?゙とかやっちゃう子だ、一人で火を使わせれない

初めは俺が気分でメニューを決めていたが最近は慣れたら楽しくなったのかこうやってリクエストをしてくる

しかし困ったぞ、お菓子は目分量じゃなくてきっちりと計らないといけない…甘い物が苦手な俺はレシピ本と睨めっこして作っていたし

「ちょっと待って、アニーとりこちゃんも呼ぶから」

強力な助っ人と味見役の看板をぶら下げた水奈吉を含め恐怖のチョコケーキ作り

何故かレンジが爆発するわ、アニーに修理を頼んだらレンジが火炎放射するわ動き出すわで大変だった…来年は市販で探させよう

「…頑張ったなフラム」
「はいグリドールさん」
「え?何とか無事な一切れなんだからフラムが食べなよ」
「ハッピーバレンタイン」
「…反則だ」


ちょっと焦げたケーキを水奈吉に茶化されながら噛みしめた
甘くて苦い季節…嫌いじゃないかな




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -