【飲んで忘れろ】

「リア充がなんぼのもんじゃーい!仕事が出来たらいんだよ」

この時期金回りが良いのだという水奈吉の誘いで商店街から少し離れた居酒屋まで足を運んだんだがこれはマズい

ビールジョッキ片手に出来上がった水奈吉を店員や客がちらちらと視線を向けてくる、つまみに全く手をつけずにこれだけ飲んだら酔いも回るな

「取り敢えず水飲めよ、お前今日ペース配分考えてないだろ」
「うるさい、うるさーい!…だいたいさ、まだ2月なのにホワイトデーも含めてペアリング選びに来ました〜って何?サプライズとかないの?ごっちゃにされたら商売あがったりだよ」
「まあな」
「聞いてんのグリ!?」
「聞いてるよ、俺別に手作り本店に置いとくだけだからお前の店と気合いが違うんだよな」

結局潰れてしまった水奈吉を背負って店を出る。冷たい風に吹かれながらゆっくり商店街の小さな灯りを目指す

実際そのカップルを見た訳ではないからコメントを控えたが俺から言う言葉はなかった

優しいお前は本当は分かってるんだろう

若いカップルがこの日の為に貯金をはたいて買いに来て、元より少ない給料を貯めているから選べる数も少なく
原価ギリギリに設定しているもんだから値引きしてやる事も出来なかったのが悔しいのだろうな

小さい身体で立派な店主だよ
だから今日は好きな酒に溺れてゆっくり休め、臨時休業って貼り紙しといてやっからさ

後日水底には水奈吉を慰めようと皆が皆酒を持って来て宴会(リア充がなんぼのもんじゃい)第二幕が始まった




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