* 恋は盲目 | ナノ


9-4

「わ、私、ダイゴさんのことが今までずっと苦手…と言うか、嫌いだったんです。」
「…知ってるよ」
「毎日周りに女の子侍らせて楽しそうにしてるくせに本当は全然笑ってないし、会議はサボらせようとするし、どうせ名前だけの副社長なんだと思ってました」
「…うん」
「でも、ダイゴさんを知るうちに勝手なイメージを押し付けていたことに気付いて、暴言も沢山吐いて…その、ミクリさんからもあの笑顔はわざとじゃないって聞いて…」
「………」
「女の子侍らせてるって言うのは、ダイゴさんが格好いいから寄ってくるだけだし、それに社員とのコミュニケーションも副社長としての大事な仕事だし…ええと、つまりその…」
「ミズキちゃん、さ」
「は、はい!」


ダイゴさんの静かな声に、緊張のあまりベラベラと喋ってしまっていた事に気が付き慌てて口を閉じる。
こんなにも緊張することが今まであっただろうか、…多分デボンの面接の時も今より落ち着いてた気がするのだけれど、これは一体どういうことだろう。
内心軽くパニックに陥っていると、小さなため息が聞こえて恐る恐る顔を上げる。


「…………僕は、本当にダメな奴だな」


何故かそう言ったダイゴさんは、眉を下げてまるで泣きそうな顔で笑っていた。
全部私の勘違いだったんだからダイゴさんがダメなことなんてないのに、なんでこんな悲しそうに笑うのだろう。


「――ねえ、ミズキちゃん。僕も君に話したいことがあるんだ」



( 嘘つきはどちら? )


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