『交際は良き男、良き女になる関係。結婚とは良き母、良き父になるための関係』

いつか誰かが講演会で言っていた言葉。
その人曰く、交際は依存するのではなく、独立した存在として、互いを尊重しあえる関係らしい。

実の両親は物心つく前に亡くなったから、良い父と母だったのか、どんなものなのかもわからない。



私が中学入学と同時に大阪にきて四年目。
金太郎との付き合いは三年目になる。


出会った、というより、私が一方的に彼を知ったのは、五年前の全国大会。
テニス好きな友人に引き連れられて見に行った。

コートの中には人一倍楽しそうにテニスをする彼がいた。
私には彼は一際(今思えば汗で光が反射してただけだろうけど)キラキラして見えた。

当時、金太郎中1、私小5。

私の一目惚れ且つ初恋且つ片想いである。


それから二年。
保護者である叔父の転勤で大阪にきて、四天宝寺に入学して、部活中のテニスコートに足を運んで。

二年間で身長がかなり伸びて、どちらかというと可愛かった彼はかっこよくなっていた。

やはり(今思うと汗ry)キラキラして見えた。惚れ直した。

カメラに納めたくて、顧問の先生に許可を取りに行ったりもした。本人に訊けとの回答だった。

本人に話し掛けられないまま、それでもあしげく通う私に気づいた彼の方から話し掛けられた。
想定外の事態にテンパった勢いでカメラの撮影許可までもらってしまった。


それから日々、部活風景を撮影していると気づくことが多々ある。

やれ今日はあの人調子悪そうだの、あの人足引きずってるだの、フォームが悪いだの、指摘しているうちに、気づいたらマネージャー的ポジションを築き上げていて、本当にマネージャーになってしまった。

マネージャーになって、撮影だけしてれば良いわけじゃなくなったけど、フェンスの中から堂々と撮影できるようになったのはラッキーだとも思ったかな。


私がマネージャーになった頃は大会直前で、大会始まって、地理慣れてないから会場まで迷子になって、仕事慣れなくて目まぐるしくて、いつの間にか大会勝ち進んでた。

あっという間に全国大会まで行っちゃって。青学のコシマエさんとノーゲームになるまで頑張っちゃってさ。
また惚れ直した。

全国大会終わって、金太郎は引退してからも部員の指導に来ていた。やはり被写体は金太郎ばかりだった。



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