丸井からメールでジュニア選抜合宿がサバイバル合宿だったと聞いた。

きっとドキサバだ。もしくはギュッサバだ。

私はメールで柳にアポを取る。
さっそく翌日のテニス部の練習後、図書室で話すことになった。
合宿から帰ってきて休むことなく練習ですか。精の出ることで。

夏休みでも立海の図書室は開いている。
古典文学の棚から、真っ先に目についた百人一首関連の本たちを読み漁りながら柳を待った。
ちなみに都々逸も好きだ。

時間はあっという間に過ぎ、柳がやってきた。
柳が座る間に私は本をしまう。

柳の正面の席に座り、さっそく訊ねた。


「合宿で女の子いなかった?スミレさん以外で」


この質問は私がデイドリーマーである事を知っている柳にしか訊けない。

ちなみに辻本ちゃんは黒髪の方が好みだ。

柳がいつものように呆れ顔だ。


「お前が合宿の件でテニス部員の妄想をしたい確率はBLに目覚めない限り64%だったのだが。まさか女子がいたかと訊かれるとは。そんなにネタが欲しいか」
「うん。BL嫌いではないけど妄想したいとは思わないし、金出してまで見たいとも思ってないよ。それに丸井からサバイバルだったって聞いたしさ」
「なら丸井に訊けば良かったのでは?」
「男子しかいない合宿で女子いるかなんて訊いたら、いるいないに関わらず馬鹿にされると思って。今回マネージャーがついてってないの知ってるし。で、結局いないの?」


期待してないと言ったら嘘になる。はっきり言ってかなり期待してる。


「いたぞ。旅行会社の手違いで船に乗り合わせた女子が二人」


やった。絶対に辻本ちゃんとつぐみちゃんだ。


「二人の容姿は?その後どうなったの?誰か選抜メンバーと仲良さそうだった人いた?」
「目を輝かせるのは構わないが、プライベートなことまでは訊いてくれるな。ミーティングや食事の時以外は行動を共にしていないからな。あまりデータがない」
「柳の見た感じでいいから」


柳は渋々二人の容姿と二人が合宿に巻き込まれた経緯、合宿の状況を話してくれた。

辻本ちゃんは黒髪らしい。万歳。
結局誰と親密になったのかという情報は手に入らなかった。







この時点での主人公は、立海レギュラーの中で主人公に妄想癖があることを知っている人物が柳以外にもいることを知らない。




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