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元凶であるマネージャーはね、不思議なことに、何処から転校してきたのか、何処に住んでいたのか、何処に転校したのか、今となっては全くわからないんだ。

それを知る以前に驚いたのは、彼女、大会の結果をはじめから知っているような言い方してたんだ。

大会だけじゃない、俺がレギュラー落ちすることもわかってたみたいだ。

俺たちは負ける。練習しても無駄だ。遠回しにそう言われている気がして、当時のテニス部内、特に今年のレギュラーには顰蹙を買ってたよ。

そして、事は起こった。

部室には彼女と瑠依の二人きりだった。
彼女はドリンクを頭から被っていて、瑠依に掛けられたのだと主張したんだ。

平部員の方ではちょっと困惑したみたいだけど、レギュラーの皆は誰も彼女の言葉を信じなかった。
それまで特に仲悪そうな二人ではなかったから、驚きはしたよ。

だけど、そのことを聞きつけた連中がいて、瑠依に対する嫌がらせが始まった。
連中は主に、忍足の彼女を気にくわないと思うファンの子達だと思う。

今までのレギュラーの彼女達は皆、何かしら嫌がらせを受けていたけど、特に瑠依の時は酷かった。
忍足を始め、レギュラーの皆も瑠依を庇ってた。
それでも庇いきれないくらい陰湿なものが多かった。

彼女は働き者のマネージャーで、気さくな人だと認識されていたから、噂を信じる人も多かった。

瑠依に対する嫌がらせ……イジメは中等部全生徒に知れ渡るくらいにまでエスカレートした。

やがて瑠依は親の転勤で転校した。その後、理由は知らないけど、元凶となった彼女も氷帝を去った。

すると、どうしたことだろう。
誰もがマネージャーの存在を次第に忘れていき、瑠依がイジメられていたこと、イジメていたことも忘れてしまったみたいだった。

はじめから何事もなかったかのように。

ファンの暴走やイジメ問題の対策を講じていた跡部も、また違う意味で頭を悩まされてたよ。

今となっては、その存在を覚えているのは、俺とレギュラーと榊監督だけみたいだ。
こうしてみょうじがやってきたってことは、どうやら瑠依も覚えているみたいだね。



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