2/4
引き継ぎのため次期生徒会長を待たせているらしく、滝は跡部に生徒会室へ行くよう促す。
樺地は跡部についていき、慈朗はいつもの寝惚け眼のままどこかへ行ってしまった。
何故、樺地に背負われていたんだ。
私は歩き出した滝の後をついていく。
生徒の大多数は下校したのだろう。違う制服の私を奇異の目で見る氷帝生はちらほらいたが、思っていたより擦れ違わない。
私は来客者用のスリッパに履き替え、校舎内に入る。
「マネージャーの件について聞きたいって言ってたけど、みょうじは瑠依と知り合いなのかな?」
「うん。クラスメートで、友達」
「そっか。二人とも立海だったね」
廊下を進み辿り着いたのは、以前幸村と訪れた応接室。
滝はドアを開け、私は促されるがままに入室し、ソファに腰かけた。
「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」
「紅茶」
「ミルクと砂糖は?」
「いい。ストレートでいいよ」
わざわざ紅茶まで淹れ始める滝。
二つのカップを用意していたから、ご厚意に甘えることにした。
「レギュラーは皆、わかっていたんだ。瑠依が貶められた元凶に」
茶器を用意しながら、滝は背を向けたまま語り出した。- 2/4 - [*前] | [次#]
←