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「立海大附属中学の男子テニス部マネージャーです。こちらの男子テニス部に用事を言付かって参りました」
前もって用意していた台詞を言ったら、警備員はアッサリ中へ通してくれた。
テニス部マネージャーなんて嘘八百。
でも幸村と赤也には念のためマネージャーを名乗る許可をもらった。
まあ、引退後の練習試合の時にも顔を出してるし。
アポ無しで来たから、三年である忍足はもう下校しているかもしれない。
忍足は後でメールで確認するとしよう。
もちろん、逃げられないために用件は伏せて。
テニスコートの方へ行けば鳳はいるだろう。
「おい、そこの地味子、何しに来た」
振り向かずともわかる。跡部だ。
後ろから声を掛けられとりあえず振り向くと、跡部の他に樺地、樺地に背負われている慈朗、滝もいた。
慈朗がむくりと、寝ぼけ眼の顔を上げる。
あれ?
「樺地くん、部活は?」
「……水曜はオフ、です……」
なら二人はもう帰ってて、学校にはいないかもしれない。
「お前何しに来た。用件を答えろ」
「話を聞きに来た」
「何をだ」
「男子テニス部のマネージャーの件。忍足と鳳はどこ?」
慈朗が首を傾げる。
「どうしたの〜? すごい怖い顔になってるC〜」
ごめんジロちゃん。今は笑えない。
「あと鳳も一発殴らせろ」
「どういう訳かは知らないが、それはやめておけみょうじ。この時期に暴力沙汰を起こせば内申書に響くぞ」
「仮に一発殴ったくらいで進学できなかったなら、この学校の生徒の何人に、どのような処分が下るのかしらね」
その場の誰もが黙り。
跡部が微妙な顔になる。
「何か、心当たりはあるみたいだね」
慈朗が樺地の背から降りる。
「みょうじ、忍足と鳳はもう帰ったよ。……俺が知ってることでいいなら、話すよ」
沈黙を割り、滝が申し出た。
「跡部、応接室の使用許可もらえるかな?」
「ああ」
「それじゃ、ついてきて」
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