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(逃げなければ……)


何に対して激昂しているのかはわからないが、少なくともこのまま彼の前に身を置くのは危険だ。
コナツの中の防衛本能なのか、素早く体を起こしてヒュウガの脇をすり抜けて扉へと向かおうとした。

「逃げちゃだーめ」
「っ!」



駈け出そうとした足を引っかけられ、バランスを崩したところを思い切りベッドに向けて反転させられる。

再びベッドに逆戻りしたコナツだが、今度は両手をヒュウガに押さえつけられて逃げることすら叶わない。片手はコナツの両腕を頭上に纏め上げ、片手は首元に添えられている。
厄介なことに、足を思い切り開かされて、その間にヒュウガが膝をついているものだから、蹴り上げて逃げることも出来そうにない。

「ねえコナツ、なんで?なんでオレじゃダメになったの?」

子供のように首をかしげて問いかけるヒュウガの姿に、戦慄が走る。子供のように無邪気な姿も、今ではただただ怖いだけだ。



「まあ、いいけどね。どっちみち逃がすつもりもないし。とりあえずヤろうか、コナツ」

さらりと言われた言葉に、カっと頭に血が上る。状況と言動が一致していない上に、その言葉はひどくコナツを侮辱しているような意味合いだった。


「だっ誰が貴方となんか!好きでもない人間とセックスする趣味はありません!」

「わお☆なかなか貞淑な子だね!」


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