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「少佐……私は、もう貴方とそういった行為をする気はありません」
「へ?」

ヒュウガの素っ頓狂な声を聴きながら、言葉を間違えてしまわないように頭を回転させる。情報処理に長けた頭のとんでもない使い方に、苦笑すらもれそうだ。

それでも、縋り付く言葉はコナツ自身が許さない。どこまでもみっともない自分だったから、せめて飽きられたオモチャらしく潔く別れを告げられるように。


「コナツ、なにそれ。意味わかんない」
「言葉通りです。こうして抱き合うのも、キスもセックスも、貴方とはもうしません」

虚を突かれたヒュウガの紅い瞳を見つめながら、コナツは言葉を紡ぐ。紅い瞳も漆黒の髪も、全てがこんなにも愛おしい。


「あなたに対する恋情が、一片たりとも残っていないんです」

別れの言葉を突きつける代わりに告げた、最も残酷な言葉。愛情をもう持っていないと告げられたヒュウガは、いったいどのような反応をするのか。
少しだけでも悲しんでくれるだろうかと、淡い期待を持ちながらじっと彼の瞳を見据える。次いで浮かんできた予想もしなかった感情に、コナツは身が竦み上がる思いだった。


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