経験してきた場数が違うと言ったらそれまでだが、妙に手馴れているその手付きには呆れてしまう。
しかし口を開けた途端、待ってましたと言わんばかりにコナツの咥内を蹂躙し始めたヒュウガに、そんな思考は簡単に奪われた。


「んん……ふっ」


 淡く漏れる声すら、ヒュウガに奪われていく。

舌を何度も何度も絡ませ、顎を伝って落ちていく唾液も舐めとり、再び深く口づける。

「やっ、もう離し……んあっ」
「だーめ、オレを置いてったお仕置き」

戯れに二言三言言葉を交わし、浅く、深く、角度を変えて何度もヒュウガは口付けを楽しんだ。
聞いてなかったお前が悪いと言えるような理由をつけ、お仕置きと称してねちっこく舌を絡ませる彼に言いようのない感覚が競り上がる。

まるで、全てを支配したいというような執着じみた感情をヒュウガから感じ、先ほどまでコナツを苛んでいた考えが思考の隅に追いやられる。

「んー、コナツ立てる?」
「……なんとか」


ようやく長い口付けから解放されたコナツは、力の抜けかけた体をヒュウガに凭れかけながら小さく返事をする。

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