「お茶入れて―」
「あ、はい!コンブ緑茶ですよね」

突然かけられた言葉に一瞬面食らったものの、淀みなくヒュウガお気に入りのお茶を確認したテイトは給湯室へと足を向けた。

「ちょっ……テイト君!何か仕事の途中じゃなかったの?お茶は私が入れるから、こんな人放っておいて自分の仕事を先に片付けなさい!」

素直にヒュウガのアホくさい要望に応えようとするテイトに、コナツは沈んでいた気持ちも忘れて慌てて声をかける。

メモを片手にどこかへと足を向ける位なのだから、よほど大量かつ面倒な仕事が彼に与えられたのだろうと心配してのことだったのだが、テイトは何てことないというように顔の前で両手を振った。


むしろコナツの言葉に恐縮しているかのように。

「いえ、大丈夫ですよ!ちょうどアヤナミ参謀長官のお茶も入れに行くところだったんです」

振られた手に収まっていたメモには茶葉の量やお湯の温度、お湯の量や蒸らす時間その他もろもろ細かく記載されていて、そういえばアヤナミのお茶は入れる工程が複雑だったことを思い出した。

それこそ○○産の茶葉は何グラムか、まで正確でなければいけないのだから、初見でメモ無しではまず無理だろう。


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