4 可哀相な子、ルークは突然ジェイドに襲い掛かった。 膝でジェイドの肩を固定し、首筋に抜き身の剣を突き付ける。 「おとなしくしろ!ジェイド」 そうはいったものの、ジェイドは慌てる訳でも無く抵抗すらしていない。 ジェイドはルークの真意を計りかねているので、相手の出方を窺っている風だ。 (……あれ?計画が違うな) ルークの計画では、ジェイドに襲い掛かる。 突然の仲間の裏切りに焦るジェイド。 ジェイドがルークから逃れ、警戒したところでネタばらし。 (逃げねぇじゃん…) しかし、ルークは本気でそういうことをする気では無かったので、殺気のかけらも感じられない。 よって、そんな相手に警戒などしない。 軍人は常に冷静なのだ。 (失敗か、当たり前だよな、旦那相手にドッキリ仕掛けたところで成功しないの目に見えてわかるだろうに) ガイは、次の行動に移れないでいるルークを助けようとして二人の方に向かった。 ガイがルークに声をかけようとした時、ジェイドと目が合ってしまった。 「ガイも絡んでましたか」 そう言ってニヤリと笑ったのを、ルークは見逃さなかった。 「ガイ逃げろ!」 [*prev] | [next#] (←) |