あいつを笑わせろ 旅に出てからずいぶん経ったが、ルークは最近になって気付いたことがある。 それは、ジェイドだ。 (見た目は笑っていても絶対笑ってねえ) ルークはそんな考えに囚われ、ジェイドを笑わせる為に燃えていた。 もっとも、実際は笑っているのだがルークは35度程ズレた角度から見ており、完全に空回りなのだが。 「待ってろジェイド……俺が絶対笑わせてやる!!」 それは所謂余計なお世話という訳で。 「何やってるんだ?ルーク」 ガイは、そんなルークの様子を後ろからこっそり一部始終見ていた。 何か考えているようだったので黙っていたが、突然意味不明な事を口走ったので、思わず声を掛けてしまった。 一応保護者兼親友なのだから、何か変な事をしようとしてるのなら止めなければ。 「……笑わせる?旦那をか?(普段から笑ってるような……)」 「そうだ!やるぞガイ!」 (俺も!?) ルークは、そう叫ぶとそのままジェイドのもとに走って行った。 精神年齢七歳のルークのモットーは、思い立ったら急げだ。 善は急げと言いたかったのだが、他の諺と混ざってしまった。 数分後、ルークはターゲットを捕捉した。 「居たぞ、ガイ」 この際ルークが手に持った木の枝は見ないフリをして、その視線の先を見るとナタリアに有る事無い事吹き込んでいるジェイドの姿が。 (笑ってる) ガイの目には明らかに愉快そうに笑ってるジェイドの姿。 「やっぱりだ、笑ってねぇ」 しかし、どうやらルークの特殊な目にはそうは映って無いらしい。 [*prev] | [next#] (←) |