トラウマ


戦いを終え夜が深くなった頃、僕はなかなか眠れずいた。
今日もパニックになり、雲雀さんの役に立てなかった。それどころか雲雀さんから逃げて、森の中で迷子になり皆に迷惑をかける始末。
匣兵器のくせに情けないと思われてるに違いない。

「ロール」

寝付けない僕に気付いたヒバードが寄ってきた。

「ダイジョブ」
「キュウ?」
「ヒバリ、ヤサシイ、ヤサシイ」

僕よりもずっと小さい雲雀さんの傍にいる小鳥は何度も繰り返した。
雲雀さんが優しいのは知ってる。
でもいくら雲雀さんだって、こんな事繰り返してたら呆れるに違いない。

「ガンバル、ロール」
「…キュ」
「ヒバリモガンバル」
「クピ」

僕は顔をあげた。そうだ。落ち込んでる暇があったら頑張ろう。
雲雀さんのパートナーなんだから。
僕が笑顔を浮かべるとヒバードも安心したように目を閉じた。いつかトラウマを吹き飛ばすくらい強くなるんだ。


2012.11.21→2013.1.23


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