不思議なイタリア料理店 [ 69/78 ]
「アナタは非常識デス!手を洗わないでいろんなとこさわったでしょッ!」
「えッ!」
仗助はトニオさんに怒られている。億泰はそれはもう元気ハツラツとしている。
つまり何、と言われれば 間に合わなかった ということ。
誤解は解けたし、スタンド使い同士わかりあえたけれどここまで来てしまった事自体が良くなかった。
『姐さんが説明しなかったのが悪ぃだろ、ありゃ。』
「……まあ、そうなんだけど」
莉緒さんがもっと早くに説明してくれれば今頃テーブルでゆっくりと食事を続けていたはずなのに。これについては強く言っておかないといけない。
「調理場と言うところは……バイキンが一番の敵デスッ!
ダカラ、ワタシは怒りましタッ!無断でここに入って来たコトは絶対にタダじゃあおきません。覚悟してもらいまスよッ!これでこの調理場全部の床や調理台やハシヲ!綺麗にフキ直してもらいマスッ!」
「え?す……スンマセン!わ……悪かったっスッ!で……でも俺一人でやるんスかあ〜?」
「当り前でしょお〜っ、早くデス!ワタシはこちらの方のデザートの『プリン』をお出ししなくてはいけまセン。これで『水虫』が治って快適になって帰ってイタダくのです」
怒っている理由はごもっとも。だからこそ、仗助も断れないでいるし私にも罪悪感という物がある。
「仗助、私も手伝うよ。あと……ちょっと待ってて諸悪の根源にも手伝ってもらうから。絶対に。」
「お……おう、ありがとう千里。……なんか怒ってねーかお前」
「大丈夫、仗助に対してではないから。ちょっと待っててすぐに戻るから。」
この後厨房の掃除は三人でした。
その間プリンを食べた億泰はそれはもうこの店を気に入り、また来たいとげんなりしている仗助達に言っていた。
私は、また来てみたいと思っている。
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