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恋する美少女‐後日談‐ [ 61/78 ]

あの騒動も終わり、落ち着いた日常が戻ったように感じる日々が続いた。

それから由花子さんが康一君に対して、康一君にかかわった人に対して何かするようなことはなくなったらしいけれど、相変わらず視線は感じるらしい。仗助とかはそれについて注意してろとか警戒しろとか言っているけれど……まあ、あの時のような事をしない限り恋しているってことはいいことだと思う。

だから私はたいして由花子さんに警戒しないで日々を送っていた。



「ご注文はお決まりでしょうか。」


そろそろバイトも終わる時間。最近はこれと言ってスタンド使いに襲われることもなく結構平和だ。

「追加の注文なんですけどぉー……」


かしこまりましたと厨房の方へ向かい、注文された物を伝える。

時間帯が平日の夕方という事もあり店内は女子生徒が多く、楽しそうに会話している様子がみられる。そういえばさっきの子たちは見知った顔だ。知ってる子がよく来るのは少し嬉しい。


「最近千里ちゃんのおかげでお客さん多くてね」


「え?いやそんなことは……」


店長がこの様子を見て笑みを浮かべながら私に言った。私のおかげ……というわけではない気がするのだけれど。知り合いが来ているのはべつに私が居るからとかいうわけでもないし。


でも、否定しようとした時注文が入った。
まあ、そこまで否定しなければいけないようなことでもない気がするし今は注文を取りに行く方が優先だ。


「ご注文の方お決まりでしょうか……ッ!?」


お客さんには見覚えがあった。いや、完全に知っている人。驚く必要はないのだけれど、あまりに急すぎてその時の動揺は完全に表情に出ていたと思う。


「コーヒーひとつ。」


由花子さんは、そんな驚いている私なんてお構いなしに普通にコーヒーを注文していた。


「ちょっと、聞いているの?」


少しの間硬直して由花子さんを凝視していると、少々イラついたような声が耳に入る。
申し訳ありませんと謝って注文を反芻すると私はまた厨房の方へ向かった。

まさか、まさか由花子さんがここに来るとは思わなかった……。いや、由花子さんがここに来ちゃあいけないとかそういうわけではなくて。


「これ運んじゃったら今日はあがっていいよ」


「あ、はい」


なんとなく緊張感があるいまの状態で、由花子さん注文のコーヒーを渡しに行くことになる。緊張を覚えるとはいっても、由花子さんが悪い人とかいうわけじゃあないむしろ私的には好意を持てるような感じの人だ。


「……よし」


これを運んで、バイトが終われば話をするチャンスがあるかもしれない。その話によっては由花子さんは絶対に悪い子じゃあないと仗助に認めさせることができる。





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