恋する美少女‐執着‐ [ 53/78 ]
「なんで千里が女にモテてるんだよォ〜!」
「……え?何言ってるの?」
昼食を終え外を歩いていると、億泰がわけのわからないことを言った。
今日も食べる量越えてもらったお弁当をどうしたものかと悩む。
「何言ってるの?じゃあねーよッ、その弁当は……」
「億泰、こいつは無自覚だから何言っても無駄だぜ。」
仗助も億泰も、一体何が言いたいのかがわからない。
大体、女の子にもてるとかじゃなくてれって女子によくあるお弁当の料理の実験台ってやつなんかじゃないかと思うのに。
『〜〜♪』
そんな事をよそに、私のケータイがなる。
次はデートの誘いか、等と億泰が言っているけれど私のケータイアドレスを知ってる子は全然いないわけだから違うと思う。と、いうかデートとはどういう事なのか。
「………はぁ。」
ディスプレイの表示を見てため息をつく。
「どうした?」
「いや、また莉緒さん。……昼食を食べましたって写メ」
ブログでやったらどうなんだろう、自分を映さないで、ブログで。
仗助は仲がいいなというけれど、仲が良すぎるというのも考え物だと思う。
「なんだよーッ彼女か?」
そう言うと億泰は私のケータイの画面をのぞく。
マナー的にどうかと思う。いや、その前に彼女って何……わけがわからない。
「………千里、この人はマジでお前の彼女とかじゃあないよな」
「いや、彼女のわけないから。莉緒さんは私の近所の……」
億泰は莉緒さんの映る画面を食い入るように見ている。
もしかして、知り合いだったりしたのか。
「どーした億泰?」
その様子に仗助も声をかける。
少々の沈黙、私がどうしようかと思っているとようやく億泰が口を開き
「か、カワイイ……」
「「え?」」
可愛い、とはどういう事か。いや、たしかに莉緒さんは可愛いの分類に入る人だ、大人でも。だからと言ってもこの沈黙の後に訊くと少し驚いた。
「千里!この人……莉緒さんはお前のファンとかじゃないんだなッ!」
「多分違うと思「紹介してくれ」は?」
何を言われたかがよくわからず仗助を見るけれど仗助も同じ状況だった。
「メールアドレスを教えてくれ!」
「ちょっとまってそう言うのは本人の許可を取らないといけないし……そのまえに億泰どうしたの?」
「いや、言う必要はねえ億泰……だが先に言うぞ、莉緒さんはやめておけ。」
「仗助も知り合いなのかよ!?それにあきらめろって……性格に問題があったりとかするのかァ?あの山岸由花子みたいに」
性格に問題があるとかの前の問題だ。莉緒さんは既婚者だし。
「性格に問題はないよ。」
「だったらなにも問題ねェー!紹介してくれ!」
「そ、そういわれても莉緒さんは……「あなた!あたしに一体何因縁つけてるの?」
学校の焼却炉付近に差し掛かった時、その声は聞こえた。
喧嘩をしているのか、何が起きたのかは分からない。
「2度と康一くんのまわりをうろついたりしたら……あなたのこと……ただじゃあおきませんからね」
しかし、この事に由花子さんが関わっている事だけはわかった。
[*prev] [next#]