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恋する美少女‐執着‐ [ 52/78 ]

恋する女は強くて綺麗だ。これは私が小さいころからよく知っていることだ。だからきっとこれから何か一悶着あるかもしれない、そんな事を思いながらドアの鍵閉め今日も私は学校に向かった。


「おはよう、仗助、億泰。」


挨拶をしていつものように登校。最近は日直等あり仗助達とは登校していなかっただけに少し新鮮だった。


「それにしても、どーなるんだろーな。」


「どーなるもなにも、もう会わねーんじゃあねーか?」


と、やっぱり話題は昨日見た物のインパクトが強いからか、康一君と由花子さんの事になった。


「普通なら怖いとか思って近寄らなくなるし、相手も罪悪感や羞恥心で近寄らなくて終わりそーだけど……なんか嫌な予感がするんだよな……」


仗助の嫌な予感、というのはきっと私が家を出る前に思った事と同じものな気がした。そう、康一君はともかくとして、由花子さんの行動に。



「私もそんな気がする。由花子さんは……他の女の子と違うから。」


警戒、とまでは行かないけれど昨日のキレ具合とかからしてもし何かしそうな予兆があればそれを全力で止めないといけない。



「他の女の子とは違うもなにも、千里に女友達なんているのかァ?女と居るとこみたことねーぞ。」



「億泰は違うクラスだから見たことないんだよ。結構話してるから……友達と言える子は居ないけど。」


「まあ、千里は特殊だからな……」


特殊とはどういう事かと思い仗助を見ると目をそらされた。

本当にどういう事なんだろう。


億泰も特殊という言葉の意味がわからず、はァ?と言っていた。



「仗助くーんおはよー!」


「おはよう!仗助くん」



学校付近になると毎日恒例の挨拶タイムが始まる。

仗助は本当に女の子に人気だな、って思う。



「千里さんおはようございます。」


「あ、おはよう。」


さっき女友達は居ないといったけど、最近は挨拶してくれる人が多い。そのうち友達とかになれたらいいんだけど。


「へぇー、本当に挨拶くらいはしてるんだな。」


「だから話すくらいならしてるって言った「仗助くーん!千里さーん!おはようございまーす!!」」


突然挨拶され驚くけど、とりあえず挨拶を返す。


返すとそのままそさくさと走り去ってしまう。だから、あんまり挨拶のあと教室に一緒に行ったりとか話たりとかできない。そんな暇がない。


「逃げられてるじゃねーか、何かしたのか?」


「とくになにも……」


逃げられるようなことは……いつかの強盗事件の解決の話がまた湾曲して伝わり続けているならそうかもしれないけれど……


「千里さん……おはようございます」


「おは……あ、この前はお弁当ありがとう。すごく美味しかった。」


確かこの子はこの前お弁当をくれた子だ。とりあえずこの前の料理の感想とお礼を言うと、なんか嬉しそうだった。


「それで、容器なんだけどどれが誰のか分からなくなって……特徴を教えてもらえたら「いいんです!容器なんて!!そんなことより褒めてくれてありがとうございます!!」え、あちょっと」


そう言うとまた走り去ってしまった。そんな姿を見て私は唖然とした。

容器、本当にどうしよう。


「……いや、ちょっと待て、これちょっと異常じゃねーか?」


「億泰、これが特殊ってやつだ。」




「え?」



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