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恋する美少女‐告白‐ [ 51/78 ]

「あ―――っコーヒーこぼしたわ、あんたのせいだからねッ!」


鬼気迫る表情、いや、遠くから見ていても正直怖かった。

見たところ、静かな美人なのにこんなにキレるだなんて……目の前にいた康一君はもちろんの事ながら、離れたところで様子を見ていた仗助と億泰と私も一瞬時が止まったように唖然としてしまった。


「ハッ!

……あ……あの……つ……つい夢中になって……あ……あたし一人で勝手なこと言って……そ……そうよね?すぐにきめられるわけないわよね……」



由花子さんは正気に戻ったみたいだけれど、こっちは相変わらず時が止まっている状態だ。

なんだろう、感情の起伏が激しいのか……それとも一世一代の告白で舞いあがっているのか……


「ご……ごめんなさい!あたしって…………」


怒って、正気になったかと思えば由花子さんは泣きだしていた。




「な……なんかよ……膨らんだ風船がしぼんじまった気分だな〜っ、康一の幸運だとか俺のうらやましいだとかの気持は……ブッ飛んだなあー」



「ああ……康一には知らんふりしてよーぜー」

「そうかな、ただ単に情熱的な子だと思うけど……」


私が言うと、仗助と億泰は私を怪訝そうな表情で見た。

そんなに、変なことを言った?


「おめえはちょっとずれてるぜ、千里。」


「……そうなんだ」


仗助に言われるけれど、そんなにずれているのか……。


と、こんな会話していて康一君のほうを見ていなかったらいつの間にか由花子さんが居なかった。


康一君が、唖然としながら注文しているコーラを飲んでいた。




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