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恋する美少女‐告白‐ [ 49/78 ]

「チクショーッ臆病な野郎だッ!さっさと襲って来いっつーんだよー」

「そうだな〜臆病な奴だ。だがな『臆病』イコール『用心深い』……そーいうやつが襲ってくるときはよ〜完全に『勝つ』と確信した時だろーなー」


「まあ、今までの事を考えても案外すぐにめぐり合うかもしれないし」


先日の話をしながら、私と仗助と億泰は下校していた。

まあ、はなしながらというのはこの前億泰はあの場にいなかったから何があったかを説明していたというのが正しいけれど。


「お」


そんな風に道を歩いていたら、億泰がなにかを見つけたみたいだった。


「なにかあったの?」


「あれだよ、ありゃ康一だぜ」


「あ、本当だ。」


「おーそうだ……あいつなにきどって茶してんだ?ソワソワしてんな」


億泰が見つけたのは、カフェで一人お茶している康一君。

仗助が言った通り、どこかソワソワしている。


「だれか待ってるのかな……」


「んなわけねーだろ。おい康……なっ!!」


「「えっ」」



億泰の驚く声のほうに私と仗助は驚いた。

そして、康一君のほうを見てさらに驚いた。


女の子と待ち合わせだったとは。それも、かなりの美人。



「お……おい仗助、千里〜ま、マジかよあれ〜」


「康一が女と2人っきりとはねェ〜」


「まあ、高校生ならよくあることじゃないの?」


印象に残りそうな美人だけど、見覚えがない。最近は女の子の知り合いも増えたんだけど……


そんなことを考えていたら


「おい二人とも隠れろ!」


突然億泰が仗助と私を引っ張った。


「ええ?なんで〜!?」


「いいから隠れろッ!偵察するんだよ――っ」



そのまま、物陰からこっそりと康一君と謎の女の子の様子をうかがう。

なんか、探偵とかみたいだ。というかこんなのぞき見みたいなことしていていいんだろうか。




「好きだなーおめえもよー億泰」


そういいつつも仗助も楽しそうだ。

「ありゃたしか俺と同じクラスの山岸由花子って女だぜー」


山岸……由花子……聞いたことないなと思ったけど、まあ他のクラスならそうかと納得できた。


「でも、こんな風にのぞき見はあんまりいいものじゃない気がする。」


「なんだよ、おめえは気にならねーのか?千里」


「気になるから見るよ。」


「見るのかよッ」



気にならないと言えばうそになるから仕方ない。


双眼鏡や盗聴器がほしいという事を話すけれど持っていないものの話をしていても仕方ない。


「もっとそばにいくぜー」


億泰の言葉に、二人がこちらのほうを見ないか細心の注意を払って少しずつ近づく。

とりあえず、声が聞こえる距離くらいまでは行きたい。


二人の近くの木の陰に隠れると、そこがどうやら声が聞こえて隠れられる丁度いい場所で、話に聞き耳を立てた。



「……何か宿題のノートとかって聞こえるけど。」


「違う、子犬や子猫の貰い手の話みたいだぜ」


「どっちにしろ面白くねーな……」


期待はずれか、と三人で溜息をついたとき由花子さんから発せられた言葉はとんでもないものだった。



「あたし、康一くんのこと好きなんです」





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