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親子 [ 45/78 ]

(三者視点)


「うん、わかってる。がんばってね!大好き!!」


「由紀もかわりたいー!!パパ大好きーー!!」


「………」

杜王グランドホテルの324号室。ほのぼの(?)としたやりとりがなされている。


「……なんで俺の部屋でわざわざやる。」

電話が終わると、承太郎が莉緒に言った。

この部屋は、承太郎の部屋であり莉緒の部屋は隣りである。


「え?なんとなく」


「「なんとなくー!」」

莉緒のまねをする由紀と司をみて承太郎は溜息をついた。

「……てめーのその調子はどうにかならないのか。2人が将来お前そっくりになるぜ。」

そして、そう忠告した。

「やだ、典明君取られちゃう」


「そこじゃあないだろ」


だが、莉緒の考えは完全にずれていた。


そんな中、ホテル備え付けの電話が鳴った。


「ん?もしかして、徐倫ちゃんからじゃない〜」

「だとしたら携帯のほうにかかってくる。ホテルからだろ」
承太郎がそう言うと、莉緒は面白くないなーとぼやく。
そんなぼやきを無視して承太郎は受話器を取った。


『空条……承太郎さんですか?』


「………聞きなれない声だな、誰だ?そういうあんたは?」


一か月も泊っていれば、こういう風に電話をかけてくる者がホテルのものではないとわかった。

承太郎のこの言葉を聞き、莉緒も真剣な面持ちになる。


『誰でもいいさ…空条承太郎に花京院莉緒、あんたらこの杜王町からよ…出てってくださいよ』


二人ともその電話の相手には何者か把握されている。


「何者かわからないヤツからイキナリ理由もなく出て行けと言われてもな…
あんたが俺だったら素直に出ていくかい?」


『「弓と矢」を持っているものですよ』


弓と矢、ときき承太郎はハッとする。

『虹村形兆の「弓と矢」をイタだいたのは俺です…あんたたちを殺してもいいんですが……なんでも承太郎さん…あなた…時間を一秒か二秒止められるらしいですねェ?
しかもタフで正確な動きもするって言うし…もう一人の莉緒さんも強酸の壁で守ってくる……そんな二人を相手するのはちょっと手強いかなと思いまして…電話でとりあえず警告する事にしました。』

ここまで一体どこで調べたのか、といいたくなるようなことばかり知っている。

何者なのだろうか。


「おまえも『スタンド使い』か?『弓と矢』でなにをするつもりだ?」


『別にあんたたちにゃあメーワクはかけませんよ、東方仗助だってじゃまさえしなければこっちからは何もしやしません。
俺はせっかく…「スタンド能力」つーもんを身に付けたんだ、ちょいとおもしろおかしく生きたいだけです。受験だ就職だってワズらわしい人生はまっぴらなもんでね』


「学生か?おまえ?」

『ンなこたあどーでもいいだろうッ!』

「うわっ……」

受話器から音が漏れるくらいに、声が大きくなると莉緒が少し驚く…というより引いている。


『いいかいッ!あんまし俺の町に長居するよーだったらよォ…あんたたちも仗助も殺しますぜ!いいですねッ!?』


「他に何人のスタンド使いがこの町に…?「承太郎っ!受話器から手を離して!!」


莉緒の言葉は少し遅く、受話器は火花を散らして承太郎が手を離すと電話と一緒に小さな爆発をしショートした。


「なかなかの挑発だね。」


「承ー太郎さん、怪我してるよ。絆創膏あげるね」

由紀は自分の持っているバッグをあさる。


「やれやれ、やはりしばらくこの町に……滞在することになりそうだぜ。」






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