兵隊 [ 37/78 ]
スタンドの事はよくわかっていない。
正直、こんな事が日常で起きるようならもっと莉緒さんや承太郎さんに聞くべきだったと思っている。
けれど、スタンドは一人に付き一体と聞いたことはあった。
じゃあ、なんでこのスタンドは一体どころではないのか
「撃てェ――――ッ」
その声と同時にドアの中に駆け込む。
そして部屋の中になだれ込むのと同時にドアが撃たれ、ドアが破壊された。
「やはりッ!まともにくらったら手足はふっ飛ぶ破壊力だ」
「仗助、窓があるよこの部屋」
「お!ラッキーだ……ここは二階だが窓をぶち破って飛び降りるぜ!」
窓に向かおうとそこを見ると、その考えは見透かされていたということが分かった。
窓の隙間から小さく差し込む光を反射しているものに気付いた時には。
「グレートだぜ、へ…ヘリコプターまでいるのか!?アメリカ陸軍攻撃用ヘリ、『アパッチ』ってやつじゃあねーかこいつは」
「こうなったら私がここで食い止めて……」
仗助が誰か助けを呼んできてくれれば何とかなるかもしれない。それに、この中で傷を治せるのは仗助だけだし、
「こっち見てッ!あぶないッ!戦車がいるよッ!」
仗助と私が完全にヘリに気を取られていると、康一君が二人の服を引っ張る。
それと同時に戦車、ヘリが砲撃をする。
それを仗助のクレイジー・ダイヤモンドが撃ち落とした。
「せ…戦車までいやがるッ!康一!千里!気を付け……」
仗助の言葉が止まる。
「どうしたの、仗助」
何があったのか、また敵が増えたのかと思った。
「い…今…康一、なんて言った……?」
仗助の言葉でさっき一瞬止まった理由がわかった。
康一君は、このスタンドが見えているんだ、
「康一、お前まさか…あの『矢』に射られてスタンド使いに?」
矢に射られた時点で、その可能性はあるとは思っていた。私と同じようになるって。
でもこれがなにかの機転になるかもしれない。
「ほう!なったのか?そのチビ?」
ハッとその声に反応してそこを見ると、兵隊のスタンドを挟んで向こう側に
億泰の兄は居た。
「『スタンド能力』を出せるように……なっていたのか〜?」
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