兵隊 [ 36/78 ]
「千里さん!千里さん!」
声がした、いつの間に私は気を失っていたんだろうと目を開ける。
周りは暗い、でもそこに康一君と仗助が居るのはわかった。
「千里!気がついたか、これ何本に見える?」
「えっと、7本。一体何があったの?」
本数を数えて、とりあえず状況を聞くことにした。
「何があったか聞きたいのはこっちだぜ、お前は康一と一緒に倒れてたんだ」
何があったかをよく思い出してみる、
たしか、この家に入って……
「そうだ、スタンド攻撃を受けた。」
「ああ、そう見たいだな。小さい無数の穴……一体どんなスタンドなのかは分からないが、厄介なことに変わりない」
傷はたぶん仗助が直してくれたんだろう。
それに感謝して、周りの状況をよく見る。
そんな時、天井のほうから何か気配を感じた。
仗助もその気配には気付いていたようで、ライターを付けた。
「なんだ……!?」
「小さい何かが……」
パタパタと小さな足音がし、音のしたほうを見ると小さい影のようなものが走っていったのがわかった。
「今のは……スタンド?」
「多分な……康一…なんのことかさっぱりわからないだろうが、とにかく今はなにも聞かずもっと俺達のそばに寄れ」
今のがスタンドだとすれば、かなり幸運かもしれない。
姿を見破ってしまえばなんてことはないから
でも、本当にスタンドは今の だけ なんだろうか。
小さい穴のあく傷、それも無数に……
「千里、康一を頼む。」
考えを巡らせているうちに、仗助が言う。
そして、敵のスタンドと思わしき物が姿を現した時、仗助はスタンドを出し一気にケリをつけようとした。
でも、見えた。そのスタンドが、何体もいたのを
「仗助!敵はそいつ一体じゃないッ!」
言った時には遅く、無数の小さな銃を持った兵隊のようなスタンドが仗助のライターに向かって射撃した。
射撃した後には落下傘で天井から降りてくる。
「これも、スタンドなの……?」
「千里や億泰が負っていた無数の穴の傷は、こいつらのあの小さいM16とかいうカービン・ライフルで射ったものだったのかよ…これが、億泰の兄貴の『スタンド』か……」
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