兄弟 [ 31/78 ]
「千里さん!おはようございます!!」
朝の登校時、同じ学年の女子にあいさつをされた。
「あ、おはよう「千里さん!!おはようございます!」
…今日はよくあいさつをされる日だ。
普段そんなに悪目立ちしたりなんてしたことなかったし…。
「…どうしたんだろ」
※
「よぉ千里、…ってなんだよその弁当の山!」
「あ、仗助。何があったかは私にもわからないんだけど…みんなが私にって」
正直この昼休みに食べきれるわけない量。
こっちは中華、こっちは和食、こっちは洋食
かなりいろいろある、でも自分のお弁当は作ってきちゃってたりする。
「断らなかったのか?」
「うん、何か悪い気がして。夕飯にでもしようかな…」
「そういえばお前一人暮らしだったな。それにしても女にもてるって変だな」
「これ、もてるっていうの?」
お弁当をもらった理由はよくわからないまま。
今日は荷物を多く持ちながら帰らないとな…
『主人は鈍感なんだぜ』
「…今の声、どこから聞こえた?」
「あ、仗助にはまだ見せてなかったね。影を見て、それが私のスタンド」
室内に出るはずのない濃い影、
莉緒さんに名前を付けてもらったけど…
‐小アルカナから引いてね…うん、決定!ペンタクルスのナイト、ナイツ・ペンタクルスね!‐
莉緒さんは私にタロットカードを引かせて名前を付けてくれた。
なんか、一度こういうことやってみたかったとか何とか言ってたけど…まあ、なんのことかわからないから深く考えないでおいた。
「名前はついてんのか?」
「うん、莉緒さんがナイツ・ペンタクルスって。」
「俺のスタンドも承太郎さんが名前を付けたな、クレイジー・ダイヤモンドっつーんだ」
「承太郎さんが。それにしても…この町にはこの能力を持った人、たくさんいるのかな」
承太郎さんから聞いた話、私を弓矢で刺した人はほかにもいろんな人を射っていたらしい。
現に、この杜王町に潜伏していた犯罪者、アンジェロはその人に射られてスタンド能力に目覚めたらしい。
「わからねーけど、今この時も増えている可能性は高いな。」
「そんなに悪い人がなっていないといいけど」
少なくとも、悪用する人が能力に目覚めていないといいって。
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