スタンドというもの [ 27/78 ]
「あ、そうだ今日こそバイト無いんだからこの前のお詫びに行かないと」
正直謝ってばっかの気がする。
まぁ仕方ないんだけど。
この前とは違うケーキ屋に入る。
「いらっしゃいませー」
どれを買おうかと考える。
イートンコーナーもあってか、店内はにぎやかだ。
同じクラスの子もいたりした。
「…あれ、東海林さんじゃない?」
こちらに気づいたみたいだ。
「東海林さん…?そんな子居たっけ?」
「ほら、仗助君とよくいる子よ」
私自体の印象は薄いらしい。
まあ、こんなもんか。
「えっと、フルーツタルトとトルテとフラン一つずつ」
ぱっと見おいしそうなものをチョイスする。
「……」
「………」
値段は?
「あの、合計は…」
「……」
店員さんの顔がひきつった笑みを浮かべている。
いったい何があったのか、それどころか店内まで静かになったような。
「あの、だから合計いくら…」
店員さんは私の後ろを指差した。
振り向くと、そこには覆面をした男が一人いた。
「…今日仮装大会とかありましたっけ?」
一瞬間をおいて、その場にいた女性の悲鳴が店内に響いた。
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