スタンドというもの [ 26/78 ]
私がスタンド使いになって一日たとうとしている。
普通に学校に行って、大差何も変わりはない。
そう、スタンドが発現することすらなかった。
※
「…私がスタンド使いになったのはいいんですが
肝心のスタンドがどこにもいませんよ」
「あれ、おかしいな…」
承太郎さんと莉緒さんが私の回りを見るけれどわからない。
「いない……な」
「だね……」
※
どういうことなのかもわからないけれど、スタンドは見える。
スタンドは見えるけれどスタンドは出ない。
莉緒さんのは厳密にはスタンドじゃないらしいからわからないっていうし、
承太郎さんはそのうち出てくるかもしれないというし、
「いったい何なんだろう」
仗助に学校で聞こうとはしたけれど、今日は欠席。
家でいろいろあったらしい。向かおうかとも考えたけれど、その前に承太郎さんから事情を聞いた。
スタンド使い、それも悪い、が仗助の御祖父さんを殺した。
つまり、私なんかが言ったところで状況は悪くなる。
スタンドが発現しない以上、まずはそちらのほうからどうにかしないといけない。
「まいった…な」
なんであの二人はあんなに簡単に出しているんだろう、
私のスタンドはいったいどんな能力を持っているんだろう、
これから起きることに何かできるんだろうか。
「考えていても仕方ない、か。」
時が来れば、
今はまだそのときじゃあない。
もどかしくても、どうしようもない。
少しのやるせない気持ちを背負ったまま、私は帰路に着こうとしていた。
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