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始まりの終わり [ 25/78 ]

「千里!」

「承太郎…さん…」


それから余りたたないうちに承太郎さんは来た。


「千里ちゃーーーーんッ!!!」


あと、莉緒さんも。


「一生懸命時止めながら来たんだけど…大丈夫そうでよかったよ!!」


莉緒さんが半泣き状態で私に駆け寄る。



「何があった、千里」


「…自分でもよくわからないんです…ただ…」


「ただ…?」


「矢で貫かれた、それだけは確かなんです。」



矢で刺された場所を指差すもその場所の傷はふさがっていて、なんとも説明できない。


「矢…?そんな跡は全くないが」


「でも、あの電話した時は刺されていたんです。刺されて…その男は矢を抜いてどこかへ行ってしまって。
追おうとしたんですけど腰がぬけちゃって。」



「いいよ、千里ちゃんが生きていただけで私は嬉しいよ」


そういって莉緒さんは私を抱きしめる。


「どんな男だったかわかるか?」


「学生服を着ていました。多分…高校生…?顔はよく見えませんでした」


「そうか…それにしてもその矢で刺されたというのが気になるな…何か変化はないか?」


変化…落ち着いて考えてみたら、何かあっ…

ふと二人の背後を見てしまった。

明らかにおかしいものが見えたからだ。


そのまま、凝視してしまう。

「…承太郎さん…その、後ろにいる人と蝶々はなんですか…?」


いや、きっと、知り合いとか。


…そんなわけない、色が人間じゃない。それどころか蝶々のほうは明らかに大きすぎる。

こんな蝶自然界にいるはずがないって。


「…千里、お前…まさか」



「スカイ・カップ」



莉緒さんがいうと蝶が私の前まで来る。


「…莉緒さん、な、なんなんですかこのおっきい蝶」


『見えてるみたいね』


「しゃべった!?」



蝶の声は頭の中で直接響くような感じだった。



「承太郎、これは…」



「…多分、そうだろうな」



二人で勝手に話が進んでいるけれど、何が起きているかわからない。



「えっと、すみません、私、どうなったんですか。」



「莉緒ちゃん、この蝶は私のスタンドなんだよ。」


「はぁ、じゃあそちらの方は承太郎さんのスタンドですか?」


「飲みこみが速いね、ここから落ち着いて聞いてほしいんだけど…」



莉緒さんの行ったことは私にはあまり理解できなかった。


いや、すぐには理解できなかった。


矢で刺されたからってどうしてそうなるのかが分からないというのと、それがあまりに急すぎたから。



「私が…スタンド使い…?」








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