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始まりの終わり [ 23/78 ]

『一応毎日電話しているよ。毎回毎回莉緒が私のこと好きだよねって聞いて来るのが可愛くて、会えなくてもこんな風にやきもち焼かれたりするなら偶にはいいかな「すみません話が脱線しすぎてるんですが」あ、そうだったね』


別の時にやってくれ、と本気で思った。


『ここからが本題だ、君の町の行方不明者数が異常だっていうのは知っているかい?』


「はい、引っ越す前に少し」


引っ越す前にこの町を調べていた時に、今年に入って88人の行方不明者を出しているというのは知っていた。

平和そうに見えるっていうのに…


『それにはもしかしたら普通の人間じゃあないものが関わってる可能性が高いんだ。』


「…普通の…スタンド使いってやつですか?」


普通の人間じゃない、で最近あったいろんなことを思い出す。



『まだ推測の域だけどね、承太郎は叔父に会いに行くのとその町に潜んでいるスタンド使いについてそっちに行ったようだけど…
まだすべてがよくわかっていない、君はスタンド使いじゃあない、スタンドも見えない。だからこそ、その事件には巻き込まれないように気をつけてほしい。できる限り承太郎か莉緒と連絡を取り合ったり行動したりするようにしてほしい。』


そう言われても、私にピンポイントで被害が来るとはあまり思えない。

でも、用心はすべきか…


「わかりました、気をつけます。」


『莉緒がなにか迷惑かけると思うけど、よろしく』


そういって電話が終わる。


もう、寝不足という時点でかけられてますが…


でも、この町にスタンドを悪用するような人がいると考えると少し怖かった。


自分に被害が来るとは思わなくても、怖かった。

見えないものから逃げなければならない、身を守らなければならない恐怖。



「仗助、今スタンド出してたりする?」


「なんだよ突然、出してないぜ」


「そっか…」



気配すら分からないとなると本当に絶望的だなって思った。





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