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被害 [ 18/78 ]

・三者視点



「…いない?」


「いやー、千里ちゃんに効果抜群か…相性いいんだね」


「―――ッ!?」


露伴が見たのは倒れている千里だった。

莉緒はいつの間にか背後に回っていた。


「うーん、そう考えると千里ちゃんはやっぱり能力の餌食になってたか」


「僕の能力を知っているのか!?」


「ナイショ、ところで露伴ちゃん、千里ちゃんの記憶奪ったのまではわかるけど…なんで千里ちゃんが家に来るようにまでしたのかな?」


莉緒は笑顔で聞いている。

それがすべてを見透かしているみたいで露伴は嫌だった。


「そんなの君に会うために決まっているだろ?千里にも近付いておけば君とこんな風に会えるようになるのも「果たしてそれだけかな?そんなことしなくたって私なら来たって露伴ちゃんならわかるでしょ?」……ッ」



どうにかして原稿を見せてしまおうかとも思ったが、莉緒の先ほど背後に回り込んだ能力を解明しないとどうしようもないと思った。


「まあつまり露伴ちゃんは…おっとこれ以上言うのはお節介かな。」


「何が言いたいかは全くわからないな。」


露伴はムッとしたように言う。それに莉緒は笑っていた。


「わかってるくせにー。まあいいや、とりあえず千里ちゃんの記憶は返してあげてよ。体重が分からないなんて女の子には致命的なんだからね。

あと、露伴ちゃんの家に毎日来るようにするのもやめてあげてよ。千里ちゃんだってバイトとか忙しいんだし。」


「何でそんな僕が得の無いことをしないといけないんだ。」


「得ないとダメなの?」


「せっかく手に入れたネタを放すなんてことはしたくない」


ネタかー、と言い莉緒は考える。

少し考えてああそうか、と何かひらめいた。


「よし、じゃあ私の記憶を見せてあげよう!この町を出る前に。気になるんじゃない?あの冒険をした当本人の記憶」


その発案は露伴にとって悪くない事だった。
むしろよくわからない能力を使ってくる莉緒の記憶を無抵抗で貰えるなら好都合だ。



「…わかった、千里の記憶は返そう。大体見終わっているからな。」


「そっか、じゃあ早く毎日露伴ちゃんの家に行くようにするのも消してね
こっちはもう露伴ちゃんに損はないからいいでしょ?」




「……勿論だ」




「ごめんね、でも、露伴ちゃんなら大丈夫なんじゃあないかな」



どういう意味だ、そう思いつつ露伴は千里に書き込んだことを消した。





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