始まり [ 14/78 ]
「てめーおれの髪の毛がどーしたとこら!」
仗助がまたキレた。
さっきと同じ。
そう頭の中に廻っていると、女子が仗助は髪型についてけなされるのが一番嫌いなのだと言っていた。
と、いうことは今度の標的は承太郎さん
「仗助!やめ…」
「出てってもダメだよ千里ちゃん。
大丈夫、承太郎に任せとけば悪いことにはならな…」
そう莉緒さんが言ったと同時に仗助が吹っ飛んだ。
「…うん。ごめん」
「そ、そんなことより今何が!?」
「スタンドだよー千里お姉ちゃん」
どうやら、スタンドらしい。
不可解な現象は何度も見たから見えずとも信じてはいたけれど、まさかこんな…普通にこんなことになるなんて。
「こ…このパワーは!「スタープラチナ」の腕のガードを弾き飛ばすとはッ!」
「ボディからアゴにかけてガラあきになったようだぜェ――――」
何が起きてるのかわからないけど、とにかく承太郎さんが不利なのか?
そう思った時、不思議なことが起きていた。
「あ…いつの間に…背後に……見えなかった」
いつの間にか、本当にいつの間にか承太郎さんは仗助の背後に立っていた。
そして、承太郎さんの帽子のつばのほうが切られていた。
「0.5秒、ね。」
莉緒さんが言った時には帽子の切られたところは直っていた。
ただし、形状は明らかに違っていたけど。
何が起きているのかほとんどの人が分かっていない中、今度は普通に承太郎さんが仗助を殴った。
「きゃあーっ仗助ッ!」
「仗助くんッ!」
「仗助くん大丈夫ーッ?」
殴られた仗助のもとに女子たちが駆け寄る。
「やかましいッ!俺は女が騒ぐとムカつくんだッ!」
「「「「……はあーい」」」」
女子生徒たちはそのまま静かになった。
「さすが承太郎…さて、早く本題に入ろうか」
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