サインを求めて [ 6/78 ]
「はあ…なんでこんなこと」
現在下校中。
私は人の家の前に居る。
それも、普通の人の家じゃなくて…
有名漫画家の家。
サイン色紙を用意して。
何故こんなことになっているのか、それは昨日の夜にさかのぼる。
※
入学式も終わって家に着き、夜。
お風呂にも入って、歯も磨いた。
そろそろ寝ようかな、と夜のテレビを見ていた時だった。
『〜♪〜♪』
携帯が鳴る。この着信音はメールじゃなくて電話だ。
画面には、莉緒さん、の文字。
この時間ってことはまた帰ってこないとか?
とりあえず、長くなりませんように。そう思いつつ電話に出た。
「もしも…『千里ちゃん!いま杜王町ってほんと!?』」
現在地がばれた。
じゃなくて、いきなりどうしたんだこの人。
「はあ…そうですけど、杜王町に何かあるんですか?」
『サイン』
サイン?この町にいま有名人でも来てた?
それとも住んでた?
『サイン!杜王町にはあの岸辺露伴が居るの!!サインもらってきてよ千里ちゃん』
岸辺…露伴…ああ、莉緒さんが好きだったような、あの人の漫画。
貸してもらうこともあって私もあの漫画好きだけど。
まさか、そんな人がこの町に居たなんて。
『千里ちゃーん、聞いてる?』
「あ、すいません。でもこの町に居るからって、私この人どこに居るかは知りませんよ?」
『あ、大丈夫地図写メで送るから。』
とりあえず、この話の流れからサインをもらいにいかないという選択肢はないみたいだ。
いや、その前に
「なんで、家の場所知ってるんですか…」
地図って言ってもきっと目印つけてあるののはず。
…でも何でそんな知ってるんだろう。
『…ナイショってことで!
とりあえずよろしく!また取りに行くから!』
切られた
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