-->避けろ!助けろ! | ナノ
▼17 本日、夢で見た過去
夢を見ていた
白い部屋に小さい女の子とその母親らしき女性が話をしている。
『ねーねー、お母さん、私ね色んな国にいきたいの』
少女は絵本を読みながら言う。
母親は困ったように笑っていた。
『じゃあその国の言葉を覚えないとね。それに病気を治さないと。』
えー、と少女は頬を膨らます。
ほのぼのとした風景。
『頑張る!言葉だってすぐに覚えれちゃうよ!』
夢の覚める感覚。
そして気づく
ああ、これはきっと
この少女は…
私…だ。
「―!!」
急いで起き上がると背中が少し痛かった。
これは…車の中?えっとたしかあの時刺されて…
目が覚めたってことはリタイアにはならなかったのか、よかった。
さっきの事を思い返す。
夢?でもあれは紛れもない自分自身。
じゃあ、この調子で過去を思い出すのかな?
なにはともあれ、中国語が読めたわけ…わかった気がする。
「みんな、おはよう」
貸しきったバスの中、私は言った。
※
背中の傷は思ったより浅く、私は刺されたショックで気絶しただけらしい。
人騒がせだ。
みんなには色々言われた。なんてこったい。
でも、原作通りポルナレフとカキョはJ・ガイルに勝って無事だったからいっか。
それよりなにより気になったのはその女性の存在。
ネーナ。エンプレスの本体。
ジョセフさんの腕にはもうとりついていたから回避失敗。
もっと強くならないとね。
そう思いつつ窓の外を見る。
「うわっ、本当にあんなのあるんだ…」
そこで見たのは荒行だった。
「客寄せのトリックじゃねーの?」
「命張りすぎな客寄せ。」
だからトリックだってとポルナレフと荒行を見て話していた。
他にも鉄板の上とかすごい。焼き土下座を連想した。
「あそこで、なにか燃えているようだが…?」
「え、次はなんの荒…」
承太郎の見ている方を見て言葉を失った。
荒行なんかじゃない。
人を火葬していた。
それを見て、ポルナレフは喋らなくなった。
そんな中、腕の腫れがすごいことになっていたジョセフさん。
「腫れてますね、それ以上悪化しないうちに医者に見せた方がいい」
カキョが腕の腫れを見て言う。いや、医者じゃなぁ…
そんなこんなで、聖地ベナレスにたどり着いた。
「えっと、ジョセフさんは病院、ポルナレフはネーナさんと行動…」
さて、自分はどうしようか。
ポルナレフには女は化けるぞ気をつけろ!と言ったら、は?といわれた。本性知って腰抜けろ。
やっぱりジョセフさんについてくべきだったかな?
「莉緒、一緒に買い出しにいかないか?」
考えていたときに話しかけてくれたのはカキョだった。
そうだね、エンプレスは私が下手に手を出したら足手まといになるもんね。
「うん、行くよ。」
←→
bkm