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▼31 後日、バッドエンドじゃ終わらない


「なッなんだこの女!!」

…わ、デジャブ


「ちょいとスカイ・カップさん?ここどこですか?」


いやいやまさか、どう見ても最初に来た留置所に見えるけど気のせいだよね!

『貴女が消えて二週間後の世界の日本のあの留置所よ。』

「おい待て!私の世界からこの世界に通じる場所はここしかないのか!?
てか二週間後って何だ二週間後って!?
あの世に言って戻ってきて一時間も経ってないよ!?」


叫ばないで、うるさい、と言われる。

『時間の捻じれくらいよくあること。』



「あってたまるか!」


そう叫んで私は格子を溶かし、外に出た。





旅もまだ始まっていない、ここに来たばかりのころに来た道を通ると色々なことを思い出す。



カフェオレをのんだ店を通り過ぎる


―近くに良い公園はありますか―

―…はぁ―


来たばかりのころ、身元不詳もいいところの私を助けてくれた事。


承太郎の家を通り過ぎ、あの石段が目に入る


―花京院典明、昨日転校してきたばかりです。よろしく―

ここは初めてカキョと出会った場所。
承太郎と一緒に登校してて、あの時はスカイ・カップの能力とかをちゃんと把握してなかったからなにも変えることができないし、最初は敵同士で、エメラルドスプラッシュを正面から受けたりっていうひどい有様だったな。

そんなことを考えながら苦笑する。

石段を下りると学校は近い。


あ、制服じゃない……

でもそんなことは気にしないで学校に入る。

授業中なのが幸いして、誰にも会わない。


「それはいいけど……カキョはどこに居んのよ―…」


やっぱり教室?

一階を一通り見て二階へ上がろうとする。


「莉緒…!?」


「承太郎!」



この時間に教室に居ないってことはあれか、さぼりか?

まあ、今はそういうことも見逃してあげよう。また、一緒に学校とか行けたら見逃さないけど。


「花京院なら屋上だ。
さっさと行ってやれ」


「…!わかった、ありがとう」


私がこの世界に居る理由、どうやって戻ってきたのかそう言うことは承太郎は一切聞かなかった。


一秒でも早く私がカキョに会いたいっていう気持ちを汲んでくれたんだと思う。


承太郎にありがとうと一言告げると、屋上に続く階段を走る。

2階、3階、


息が切れて、
上履きもはかず靴下で走っていた足は痛くて。

もつれた足のせいで階段をこけそうになったりもした。




でもそれがすべて気にならないくらいに体は動いてくれた。



会いたいという気持ちが、全てを上回っていたから。






bkm
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