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▼28 本日、日は落ちて


「ジョースターさん、
陽が沈めばわたし達の知る、DIOの弱点は無くなります。」


アヴドゥルさんの言う通りだ。

「ああ、わかっておる」

本当に急がないと、


そんな中、カキョが袋を引きずってくる。

ヌケサク入りの袋はそのまま乱暴に投げられる。


「おい「ヌケサク」、
おまえとくだらん会話しているヒマはない……
質問にすばやく答えるんだ、いいな

この階の上はどうなっている?」


袋からヌケサクが顔を出し

「と…塔です。てっぺんに部屋がひとつあります。
DIO様は昼はいつもそこにいます」

ほかに階段は無いらしく、これを上るしかない。

「よし案内しろ」

さらにカキョは袋を突き飛ばした。


「…カキョ、キミ、Sっ気あるよね絶対」


「そんなことないよ」


あああ、爽やかな笑顔で言うところ見ると絶対にそうだ!


最終局面でいらんことに気付いたちくしょう!


階段を登る。


DIOの元に近づく事に増す緊張感。


それと同時に私は、みんなにあの事を言うことにした。


「…みんな、歩きながら聞いてください。
私は、この世界の人間ではない上にこの旅の結末を知っています。」


そう、最後まで嘘は吐いていられない。

過去の記憶のこと、本当ならアヴドゥルさんとイギーはヴァニラ・アイスに殺されていた事を話した。

「……やはり、そうじゃったか」


ジョセフさんが言う。この言い方だと、どこかわかっていたんだろう。


スデに予想が出来ていたアヴドゥルさんは、ようやく話してくれたか、と言ってくれた。


ポルナレフは私の過去を聞いて、そんなに苦労していたんだな…と共感のようなものを感じていた。


「…ここでそれを話したってことは、まだ何かあるんだろ」

承太郎が言う。

その通り、私はこの事を話してなお言うことがあった。



「私は、DIOのスタンド能力も知っています。」



緊張感が一気に高まる。


「もっと早くに言うべきでした。すみません」


私たちは、DIOの棺桶のある部屋の前まで来ていた。



「DIOのスタンド、ザ・ワールドの能力は時を…」


口が、動かない。


なに?一体何が?


「…まさか莉緒、きさまが私の能力を知っているとは思わなかったぞ。」


目の前にDIOが現れる。

ああ、これがザ・ワールド


目の前に居るDIO以外は誰一人ピクリとも動かない。


何故私はそれがわかるのかはわからないけど、動けはしなかった。


「私の部下はこいつを除いて皆再起不能にされたようだな」


そう言ってDIOはヌケサクを一瞬の内に殺した。


「…莉緒、おまえはこいつらに大層大切にしてもらっているようだな…
面白い。後でゆっくり処分を考えよう、今は寝ていてもらうがな」

DIOがまた私の目の前に来たかと思えば、当て身を食らわせ。


「そして時は動き出す」


一気に意識が遠退き



「莉緒!!」


「…カ…キョ」



多分、私はDIOに捕まったんだ。

まだみんなに、DIOの能力を伝えていないのに。



それでも目の前は真っ暗になっていった。


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