「日本だったら大丈夫ですね。こちらのボスは、元はイタリアのマフィアの組織、パッショーネのボスだったんですが、
ちょっと頭にコロネつけたやつに負けて、永遠に死につづける体質にされてしまって…」
「…いや、ごめんなさい。永久に死に続ける体質って…」
「さっきも死んだじゃあないですか」
「ああ。」
だから、さっき掃除機をぶつけたのにすぐに復活したと…
うん、怖い。
「ドッピオよ、菜央海が私を人間じゃあないものを見るような目で見るようになったぞ。」
「大丈夫です、ボスはある意味人間をやめてますから!」
ドッピオ君は、この言葉をわざと言っているのか、それとも無自覚なんだろうか。
またディアボロさんは悲しそうに部屋の隅で体育座りしていた。
「実は僕もその戦いで死んだんですけど、その場にずっと居たんですよ。いわゆる自縛霊ってやつで。
そしたら、死に続けていたボスと偶然会えて…そのあとはずっとボスと一緒に行動してたんですけど、
そろそろそんな生活もどうかと思って何とかならないものかといろいろしてみたんです。
そしたら、ここに来て他の世界に飛ばされるってことはなくなったんです。」
「…えっと、すごく現実味のない話だね…ドッピオ君幽霊なのじゃあ?」
「そういうことになりますね。」
「触れるけど…?」
肩に触れてみた。
すり抜けるとかそういうことはなかった。
「それはたぶん…この世界が特殊なんだと思います!」
「そう来ますか。」
とりあえず、ドッピオ君とディアボロさんは違う世界の人なんだろうなということは納得できる。
いきなり現れたし、言ってることは突拍子もないし、事実ディアボロさんが死ななかったっていうのもあるし。
「とりあえず、大変だったんですね「わかってくれるか!菜央海」
さっきまで体育座りしていたディアボロさんがなんか嬉しそうに言った。
「はあ、まあ。」
「やりました!ボス!このまま滞在できそうですよ!」
「どうしてそうなる!?」
私が言うと二人はこの世の終わりとでもいうような顔をした。
「ど、どうして「どうしてですか菜央海!さっきの話は信じてくれるんでしょう!?」」
いや、それとこれとは話が別だ。
「たしかに、困っている中やっと希望の光が見えたっていうのはわかりますけど、だからって私の家に滞在はちょっと…」
「ボスなら大丈夫ですよ!絶壁は襲いません!」
「ああ、絶壁は襲わない!」
「絶壁絶壁言うな!!そういう問題とかじゃあなくて、世間体とか!」
気にしてることをズバズバ言わないでほしい、この二人は。