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03.泥棒つかまえました
買い物の帰り。


この買い物に行っている間にはここを出るようにいったけど、


正直、まだ居るような気がする。


あの時心底嫌そうな顔してたけど…私だって困る。


明日から仕事だし、私には私の生活がある。


「…窓開けたな、あの二人。まだ居るのか」


まあ予想通り。

マンションのエレベーターに乗り、この後の事を考える。


まあそれより、クーラーつけてるんだから窓を開けるなと言わないと。


ドアを開けて部屋にはいるとやっぱり人の気配。



「ディアボロさん、ドッピオ君まだ居るんでしょ、せめて窓は開けないで…え」



リビングに入って私は目の前の事を理解できないでいた。


そこにいたのはディアボロさんでもドッピオ君でもなくて



知らない男




知らない男が私の部屋を物色している。

いや、正確にはしていた。


今は、手に持ったナイフを私に向けてゆっくりと近づいている。


嫌だ。 来ないで欲しい。


じりじりと距離は縮まる。


このまま…もしかして…


「いや…誰か、助け「キング・クリムゾン」」



気がつけば、目の前の男は倒れていた。



ついでに言えばディアボロさんが倒れていた


「大丈夫でしたか?菜央海」


「ドッピオ君…うん、大丈夫」


「泥棒つかまえました。
ごめんなさい、ドアを閉めないで行ったのについさっき気づいて」

それでもきちんと戻ってきたのには感謝しきれない。


「ねえ、ドッピオ君…ディアボロさんはどうしたの」


「ボスなら今そこの男を倒し…」


何がどうなったのか、ディアボロさんの頭にはナイフが刺さっていた。



「ボス――ッ!?」



「ディアボロさああああん!?」



【今日のボス 頭に弾いたナイフが刺ささり死亡】



「今回は誰一人なにもなくすんで良かったよ…」


110番してすぐに警察が来て、泥棒はつかまった。


まあ、実際はディアボロさん死んだけど。


「女性の一人暮らしは危険だ、今度は鍵をきちんと掛けるように」


「…はい。」


お巡りさんに注意され、部屋に戻った。


「ナイフが刺さっても即復活ですか…」


「ボスですから」


「それで納得できるようになった自分が怖い」


二人は私の家に居る。


そしてきっと、このまま居続けるんだろう



「日本も意外と危険なんですねー…」


「…そうだね」


そうして、いつのまにやら私とこの二人の奇妙な同居生活ははじまったのだった。
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