「やっぱり、そう言う事かよ」


どこを調べても出てこない理由がわかった。

この組織の情報網を使えば、死亡事故、それも未解決なひき逃げ事故の内容が一切見つからないわけない。警察に揉み消されていようが事件の内容を知ることなんて容易のはずだった。
全て真実のままの情報がそろう……そう、それがいけなかったのだ。


ジュンの事件


夜中に起きた画家ひき逃げ事故
容疑者はいたものの、証拠不十分のため逮捕には至らず。
事件は迷宮入り、捜査はほぼ打ち切られている。


その顔を見た時、ジュンは明らかな恐怖のようなものを感じていた。


『誰かはわからない。でも、嫌だ。』


何故恐怖しているのか本人は全く理解しては無かった。


「……今日は消えないんだな、お前。」

「わからないけど、そう見たい。」


あの後から数時間、欲しい情報を手に入れて、日はとっくに暮れている。
夜になる前に勝手に消える幽霊は、今日は何故かまだその場に居た。

夜になるとなぜ消えるのか、その理由も事件の内容を知り、わかった。

そう、ジュンは事故に関する事を恐怖するようになっていたのだ。


「……よォやく犯人を見つけたぜ、ジュン」


真相を突き止めるだけだ。
容疑者が罪を認めて、この事件を解決する。


「行くか?」


居場所ももうわかっている。
ジュンにそう聞けば、ジュンはコクリと首を縦に振った。

「全部、終わらせたい。」




  






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