「……触れない。ホログラム映像?」
「お前、本当に何者だ?」
「だから死人。貴方こそ何者?同業者……、」
「同業者じゃあねえよ。……死人、な」
死人なら確かにスタンド攻撃が効くことはないだろう。多分。
しかし、死人だという証拠はどこにある。
目の前の人間は確かに自分の上に乗っかっていたり、触っていたりした。
「最初にここに入ってきたのは、壁をすり抜けて…。なら、信じてくれる?」
「………じゃあそれ、もう一回やってみろ」
そうプロシュートが言うと、ジュンは壁に向かう。
何故もう一度やれと言ったのか、それはもし何かを無効にする能力のスタンドを持っているならば、やる時にスタンドを出すと思ったからだ。
しかし、彼の考えは外れた。
なぜなら、彼女はそのまま壁の向こうへ行ってしまったからである。
なんのトリックもなしに。
「な、ウソだろ」
「本当、こまったことに」
「―――ッ」
壁に何の小細工もされていないのを確認したと同時に、ジュンが壁をまたすり抜けた。
そのため、少々驚いたが、それよりも目の前の人物が本当に死人だと確定することになったことのほうがことは重大である。
「改めて、死人で画家のジュン、です。
私の姿は、貴方にしか見えないし、私は貴方にしか触れることができません。だから、貴方にお願いしたいことがあります。
私を殺した人間を探してください」
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