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私の名前は神崎未來、いたって普通、平凡な女子高生です。

別に秀才優等生というわけでもなく、本当にいたって普通平均的青春を送るつもりの女子高生でした。

そう、今日だっていつも通り学校に行ってテキトーに過ごして帰る、

この単純な作業をする…だけ…だったのに…。


「ああ…こんなにきれいな手は初めてだ。芸術品…切り離して腐らせてしまうのはあまりにももったいない、どうしたら…」


うん、変態だ、これは変態だ。

すぐにでも警察に通報していいレベルだ。


そう、私は完全にやばいタイプの変態に絡まれていた。


この日、私は学校が面倒で一時限目をさぼるつもりでいつもより遅い時間に登校していた。


自販機を見かけ、なんとなくコーヒーを買いその辺のベンチに腰をかけたとき


やつは来た。


始めはあまり気にしなかった。

サラリーマンがこっちになぜか来た。多分人違いとかでもしたのかなと

途中で気付いた、この人めちゃくちゃ私の手を見ている。

いや、キモいとかそういう…その前に何故手?そんなことを考えているうちに手は掴まれ…



この状況でした。


「見れば見るほど美しさがわかる…造形も艶も全て素晴らしい…」


「うわぁ…」


褒められているからいいとか言ってられない。

これは無い


いや本当にこれは無い


一瞬は叫ぼうかとも思った、誰かしら助けてくれるんじゃあないかと。

でもそれは私の中の何かが止めた。
本能的にここで騒いではいけないと、


制止がかかると後は以外と冷静になれた。


まずこれは痴漢行為にも入るのだろうかはわからないけど、取り返しのつかないことにはなってないから…


飽きて帰るまでやり過ごそう


そう思ったとたん、私の体全体に鳥肌がたった




手を、舐められた



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」


即手を振り払って奇声を上げてしまった。


「…ああすまない、つい我を忘れていた。」


「ついじゃない!ついじゃ!」

もう逃げたい、帰りたい、これからは一時限目サボりません。

「まあ、気にしないで」


「ちょっとなにまた手をッ!?」


気にしないでじゃあない、なんなんだこの人!?


「な、なんなんですか貴方は!わ、私見ず知らずの人に手などをベタベタ触られたくないんですが!!」


「見ず知らず…
わたしの名前は吉良吉影、君の名前は?」

「え、神崎未來です…
そうじゃないそうじゃない!!てかなに名乗ってるんですか!?そして名乗らせてるんですか!?」


「未來か…
お互い名前をしっていれば君とわたしは知り合いだろう?さてさっきの続きを」


あー成る程、見ず知らずでは無くなるから


「じゃないッ!なにこのプラス思考の変態!?」

これだけ言ってもなお吉良と名乗ったこの人は手を離そうとしない

「変態?手を触っただけで変態になるのか?」


「触ったどころか舐めたでしょうが!!」


「あれはわたしのスキンシップの一つだ」


「あれはスキンシップじゃあなくてセクハラです」


不毛すぎる会話が続くなか、ふと時間を見た。

二時限目、始まってますがな


「ああああ!変態に付き合っていたら泥沼に!!」


「ところでこの後暇なら」


「今の叫び聞いてどの辺が暇そうに思えたッ!?
とりあえず手を離してください!!もう行くんで!!」


一瞬離してくれなかったらどうしようかとも思った。



でも意外にも簡単に離してもらえた



「え?」


「今日のところは仕方ない、また会おう未來」


色々不安な言葉が聞こえたがまあいい、二時限目に遅れないことそれが大切だ。


「神崎…あの家か、これは幸運だったな…」




とりあえず私は二時限目には間に合った。


まぁそんなことはいい。


この次の日、私は先ほどの吉良という男に名前を言ってしまったことを死ぬほど後悔する。

スキンシップじゃあなくてセクハラです

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